夏の終わりの洞爺にて 3
|「夏の終わりの洞爺にて 2」 より続いています|
もう木枯らしも吹いてセーターを着ているというのに、、
夏の終わりのこと、もう少しだけ、、
この時間を共に創造した野生の学舎と
洞爺という地で探索していったひかりと闇と、そのあわい
夜の野生の学舎
湖の畔、川辺へと闇に連れ出してくれる
暗闇に入ると自分がどこまであるのかもう視覚ではわからない
じぶんがどれくらい目から入ってくる情報に頼っていたかしらされる
そして拓かれてくる他の感覚器官が受け取る外の情報に敏感になって
周りの空気、気配や音ぜんぶにびっくりばかりしていた
こういうこと、普段の生活の中でほんとうにしていないことだ、とあらためて感じた
まるでじぶんにあたらしい感覚が備わったような、、
この体験、この時の闇を紙に写し取ってみようと
野生の学舎が木炭を用意してくれた
それは、お庭の桜の木から手作りしたもの
リトリート最終夜、
焚き火の中から生れた闇の欠片みたいな木炭とじぶんの体験は紙の上で一体になった
日の光の中、暗闇の中、
さまざまな時間をすごしたこのリトリートで
無邪気にはしゃぎながら
いつもどこかじぶんのこころの中をじっと観ていくようなことができたのは
洞爺湖が静かにそばにいてくれたから
火と水のエネルギーが混ざり合う洞爺湖
とても対照的な火のエレメントと水のエレメントが循環しあうこの場所は
極と極が混ざり合ってひとつのあたらしい調和が生まれているようだった
この場で体験したことはぜんぶ、身体が振動としてずっと憶えてくれているのだろう
photo credit : Yuri Kusakabe
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この夏の終わりのひと時を迎え終わるまで
あらいくんとともこさん(そしてかわいい3才のみくちゃんと)
関西からは由美さんも
みんなで一緒に時間を積み重ねられたことに感謝
それにしても野生の学舎と打合せという名の夜の大冒険
すごくたのしかったな、、
ランタンを手に野山を歩くあらいくんは宮澤賢治さんみたいだった
こちらは夜、海に出かけてみたときの
風がとても強く暗い海がごうごういってその音に怖さがやってくる
でも月がとてつもなく明るい
電気がなかった頃、人びとの夜の闇に月光はどれほど安心をあたえただろう
フィールドワークに出かけた数日は月がいよいよ満月になる頃で
何もかも照らし出される月夜は「闇」を体験するには不向きであったけれど
その分よりはっきりと光と闇について想像を膨らませることができた
この晩の湖が一番凪いでやさしくてとても静かだった
リトリートのみなさんとここで夜の野生の学舎をしようと決めた場所
帰りの飛行機から洞爺湖が見えた!
鳥よりも高い目線の大きな存在がきっとこうして
上からにこにこ見守ってくれていたことを想った
ありがとうございました