夏の終わりの洞爺にて 2
リトリート最後の朝、洞爺湖に挨拶をして
|「夏の終わりの洞爺にて 1」 より続いています|
洞爺リトリートでとてもたいせつにしたかったのは
この土地のエネルギーをさまざまな方法で感じていくことでした
それは、この大地で育ったお野菜やお米、湧き水が身体に入ることで感じること
実際に歩いたり湖に入ったり、風や光の中で体感すること
この地に根ざして住まう方から直接お話をきくということ
「野生の学舎」あらいくん、ともこさんも洞爺の住人
日常の風景に昭和新山や有珠山を眺めるこの地で
次に火山がいつ噴火してもおかしくないんだということをふと会話の中で聞くと
とても静かに水をたぷんとさせている洞爺湖が
静けさだけでない湧き上がる火のちからも意識するようになった
実際に、わたしとゆみさんが今回の滞在中
あらいくん夫妻のお家で留守番をしていた朝、
突然サイレンが鳴りはじめ、携帯の画面にも緊急噴火速報が入った
わたしもゆみさんも家主が不在で一体どうしたらよいのやら、、
とちょっと途方にくれて、これからどうやってこの場所から避難するのかと
お互い顔を見合わせてしまった
そしたらその警報やサイレンは防災訓練であったことがすぐにわかって
ドキドキしたよね!と言い合っただけで済んだのだけど
この朝の出来事は、じぶんにはとてもおおきなインパクトで、、
リトリートの前にこの体験ができたことがとてもありがたくて
ほんの少しだけ洞爺という土地を細胞に染み込ませることが
できたように感じた出来事だった
その日はゆみさんと洞爺やニセコの農家さんまで
リトリートのみなさんのごはんになるお野菜を仕入れさせていただく場に
わたしも居合わせさせてもらうことができた
大地と常に対話して生き、わたしたちのいのちの糧を育ててくれる農家のみなさんの
素朴でとてもうつくしい笑顔にずっとこころが震えた
そして羊蹄山の湧き水、、
とうとうと、とうとうと、溢れ続けていて
いつもこんなにもわたしたちに与えてくれるのだね
なんて豊かなことなのだろう
そんな風にしてリトリートは準備が整って
初日、各地から集まってくださったみなさんと
洞爺湖と有珠山、昭和新山に挨拶をして
この土地のゆたかな実りを口にし
地球の体液のような温泉に浸かって
洞爺という空間に迎え入れてもらったような気がした
翌日
噴火湾・アルトリ岬にネイチャーハウス(貝の博物館)を設立されている福田ご夫妻に
海へフィールドワークに連れて行っていただきながら
さまざまなお話を聞かせていただいた
何十年もこの岬でごみ拾いをし、ここに住まう生き物と愛おしく共生し
環境が変化していることを肌で感じ
つい見えない海の世界には無頓着になってしまうわたしたちに
警鐘を鳴らすことも厭わず勇気と愛で生きている姿が静かに印象に残った日
その明るい佇まい、深いまなざしに触れられて
何か内側で炎が灯る
その炎は、わたしたちのこれからをきっと照らしてくれるとおもう
そんなお昼間をすごし
夜の闇の世界へと、、
◎福田ご夫妻のことをわたしのことばで表現するのは限りがありそうで、、
ご夫妻のことをとても愛おしいきもちで紹介されている記事に出会いましたので
リンクを貼らせていただきますね!よかったら読んでみてくださいな
「スロウ日和(北海道の、寄り道ライブラリー)2020年10月の記事より」
https://slowbiyori.com/article-arutoribeach/
福田さんご夫妻が毎朝されているビーチクリーン、今回はわたしたちも一緒に
北海道ではこの有珠湾にしか生息しないコメツキガニの現状のお話から
わたしたちの何世代先のみらいのことまで考えるきっかけをいただく
毎食がこの土地のエネルギーをいただくことだった
そしてみなで一緒に食卓を囲む度にこころがもっと近くなった
この後、みなで湖水浴しましたよ
この木の下はあらいくんのお気に入りの場所なのですって
今回たくさんのとっておきの場所に案内してくれたあらいくん、ありがとう!
ずっと洞爺の湖が見守ってくれていた
この時間の記録はもう少しだけ次回に続きます
(3へ続く)
all photo credit : Yuri Kusakabe