春のオンライン終了いたしました

 

 

春のオンラインヨガ全4回
3月の満月から4月の満月までありがとうございました

オンラインのヨガは、zoomというアプリケーションを使って
それぞれの場で電波を通して画面越しにすごし合う時間です

このような「オンライン」という形で時間をわかちあう方法を試してみようと思ったのは
数年前の世界が止まってしまった時のこと

試行錯誤で始まったオンラインの時間を
おもしろがって一緒にすごそうとして下さった今までの沢山のみなさんに勇気をいただきました

 

自分が思い描くオンラインの時間は
始めた当初から 誰もに「もう一つの時間」 が流れていますようにという想いがありました

世界の経済社会が混乱なく動くための一日24時間として定められている時の流れ
わたしたちはこの時計に助けられ社会とのスムーズな繋がりを保つことが出来るないがしろに出来ないリズムでもあるけれど
宇宙や地球、自分の身体が刻む原初のリズムに同調すること
そうすると
自分の中にもう一つの時間が生れる

それに気づくだけでわたしたちは有機的な存在で
息をし、この種族以外にも地球にはさまざまないのちがうごめき
それぞれが存在しあっていることが意識に上ることで
自分のいのちにも深い呼吸が戻ってくることに気づくことができる

 

そのようなきっかけがオンラインという同じパスワードコードを使って
異次元空間のようなものにアクセス可能になることをイメージして
わたし自身、実験のようにこれからも喜びの中で取り組んでみたいと思っています

 

*

 

「もうひとつの時間」

 

ある夜、友人とこんな話をしたことがある。私たちはアラスカの氷河の上で野営をしていて、空は降るような星空だった。オーロラを待っていたのだが、その気配はなく、雪の上に座って満天の星を眺めていた。月も消え、暗黒の世界に信じられぬ数の星がきらめいていた。時おり、その中を流れ星が長い線を引きながら落ちていった。

「これだけの星が毎晩東京で見られたらすごいだろうなあ……夜遅く、仕事に疲れた会社帰り、ふと見上げると、手が届きそうなところに宇宙がある。一日の終わりに、どんな奴だって、何かを考えるだろうな」
「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって……その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

人の一生の中で、それぞれの時代に、自然はさまざまなメッセージを送っている。この世へやって来たばかりの子どもへも、去ってゆこうとする老人にも、同じ自然がそれぞれの物語を語りかけてくる。

 

星野道夫 『旅をする木』より